今回は、松竹梅シリーズの第3回目。「竹」を取り上げます。そのまっすぐな形状と再生する力は、新しい一年歩みだす私たちに多くの教訓を与えてくれます。
日本の風土と文化に深く根付いた竹。もう書きたいことがかなりあり、絞るのが大変でしたが、ここは潔くいきますね。
その日本人の文化と精神性をこの第三回で、第四回では私たちの健康にプラスになる情報までをお伝えしていきます。最後までお付き合いくださいね。
竹と日本文化
日本の神道では、竹が神聖な植物とされ、清らかさや神聖さを象徴しています。
門松の竹は、天と地を結び、強さや成長を表しています。伐られても成長を続ける竹は、困難を乗り越え、再び立ち上がる力を私たちに示しています。お正月に竹を飾ることは、「再生」と「繁栄」を願う意味が込められています。
- 強さとしなやかさ:嵐に耐える竹の姿が、困難に負けない精神を表す。
- 成長と生命力:竹は成長が早く、繁殖力が強いため、繁栄や発展の象徴。
- 空洞性:竹の中が空洞であることから、謙虚さや心を無にする禅の精神とも結びつけられる。
真竹と日本文化
特に注目すべきは、門松で使われるのは、日本在来種の真竹が中心だということ。 真竹(Phyllostachys bambusoides)は、古くから日本の風土に根付き、文化や生活の中で広く利用されてきた在来種の竹です。在来の竹を使うことがその意味を深める大切な要素です。門松が日本の自然と文化の象徴であることを考えると、在来種の利用は非常に重要です。
その美しい節や成長の早さから、真竹は繁栄や清らかさを象徴し、門松が日本独自の風習である以上、日本の伝統文化で大きな役割を果たしています。
- 門松に真竹を使用する理由
- 真竹はまっすぐ伸びる姿や強さから、「成長」や「繁栄」を象徴し、門松の素材として理想的です。
- 在来種の真竹を使うことで、日本の自然との調和や文化の連続性が保たれます。
- 真竹は加工しやすく、切り口の美しさや強度から門松に最適な竹とされています。
- 門松の文化的意味
- 門松は、新年に年神様を迎える依代(よりしろ)として作られるもので、日本の自然の象徴である真竹が重要な要素です。
- 地域によっては竹の太さや切り口の形状にこだわり、地域性を表現しています。
真竹は、日本の自然の恵みと文化のつながりを表現するものであり、その利用は在来種の価値を再確認させるものです。
竹の文化地域ごとの文化的特徴
京都府
- 京都では、真竹を使用した茶道具や竹垣が文化として深く根付いています。
- 嵯峨野の竹林(嵐山竹林)は観光名所であり、真竹の美しさを広く伝えています。
静岡県(浜松市)
- 浜松は竹細工の産地として有名で、真竹を使った実用品や装飾品が作られています。
- 「遠州竹細工」として知られるこれらの工芸品は、伝統的な技術とデザインの融合が特徴です。
大分県(別府市)
- 別府市は真竹を使用した竹工芸が盛んで、「別府竹細工」として国の伝統的工芸品に指定されています。
- 竹籠や飾り物など、細工技術の高さが評価されています。
岐阜県(美濃地方)
- 美濃地方では、真竹を使った水屋道具(竹ざるや籠)が特産品として知られています。
- これらは江戸時代から続く地域産業であり、日常生活と密接に関わっています。
熊本県(阿蘇地方)
- 阿蘇地方では、真竹が地域資源として活用され、竹垣や日用品の素材として親しまれています。
- 特に竹を使った伝統的な祭りや神事も残されています。
真竹文化の全体的な特徴
他にも竹の産地や文化を担うところは全国にありますが、一部をご紹介いたしました。真竹は日本各地でその土地の風土や文化と結びつき、多様な形で活用されています。
土砂崩れや河川氾濫を引き起こすとして放置竹林の害が取り上げられることがありますが、地域ごとの特色を生かした活用も進んでおり、観光資源や地域活性化の柱としても注目されていることも忘れないでください。
真竹が単なる植物というだけではなく、日本文化の象徴であり、地域の暮らしや伝統と深く結びついていることがよくわかりました。
笹と竹
ともあれ、笹や竹を使った名産品が多いのは、これらが日本の気候や文化に深く根付いているからです。
笹と竹は主にアジアを中心に温暖で湿潤な地域に分布し、南米や一部のアフリカ、オセアニアにも自生しています。一方、極地や乾燥地帯、寒冷なヨーロッパ北部などでは生息していません。
最後に
最後に。真竹の起源が「中国」とされることもあるとAIがいったので、私は納得できず、どうなのかと首を捻ってしまいました。
AIによると、分類は主に植物学的な分類や竹類研究の中心地が中国であることに由来しているとのこと。しかし、日本で独自の進化を遂げ、文化や生活に深く根付いていることをよく捉えて考えましょう。
「なんでも中国起源」という見方に対しては、疑問を持ちつつ慎重に情報を検証することが大切です。多くの物事について、大陸から由来云々と言われるのですが、本当でしょうか。私自身、JICAの日本文化を広める担い手として海外に出たとき、議論になるポイントでもありました。かなり白熱して日本人の仲間と頑張った経験があります。
日本マダケのほとんどは遺伝的に均一らしく、日本全国のマダケが一斉に花を咲かせ、一斉に実を付け、一斉に枯れる。日本へは古くから持ち込まれ栽培されていたと見る一方で、日本にもともと自生していた品種であると捉える向きもある。このように考えられる根拠としては、例えば、第三紀中新世以降に日本や朝鮮半島から化石が見つかっているので、もとは日本列島に自生していたのかも知れないと推測することもできるからである ウィキペディアより
どこが重要なのか。何が重要なのか。植物やモノの問題だけではなく、日本の立場や日本人そのものの存続さえも危うい現状があります。私達のホーム、日本国内でも同じ状況が生まれてきています。移民を推進している政策があるのをご存知でしょう。もっと敏感になるべきだと思います。
我々日本人は、しっかり日本の文化の価値を見据えたほうがいい。皆さんご自身にこの国と日本人としての価値を知って頂きたいと思っています。このような思いから、このblogではこれからも日本人の健康、日本文化についてお伝えしています。
しっかりと根を張りながらも空に向かって伸びていく姿は、私たちの理想と重なるのではないでしょうか。
次回の第4回目も『竹』。文化をおさらいしたうえで、私達の健康に何がいいのかを書きたいと思います。
最後までお読みくださりありがとうございました。
一般社団法人東西交流フォーラム
横山みのり