ウルグアイの国花「セイボ(Ceibo、学名:Erythrina crista-galli)」は、鮮やかな赤い花で知らる情熱と勇気の象徴です。
長年の知人が日本ウルグアイ協会の理事をされているということで、HP(日本ウルグアイ協会)を教えてくれました。私はそのページで初めてセイボと出会いましたが南米の風を感じるその姿に一瞬で心を奪われました。知人は国際協力に尽力してきた方で、その生き方がセイボの力強さと重なるようにみえます。この記事では、伝統的な利用、そして国花になった経緯を、ウルグアイを中心にご紹介していきます。
セイボとは?
セイボは、マメ科エリスリナ属の落葉小高木で、南米原産です。日本では「海紅豆(かいこうず)」とも呼ばれ、詩的な名前がその美しさを表しています。日比谷公園、那覇市公園でみられるようです。
- 分類: マメ科(Fabaceae)、エリスリナ属(Erythrina)
- 樹高: 5~10m
- 葉: 三出複葉(3枚の小葉)
- 花: 赤~朱色の蝶形花、総状花序で咲く
- 開花期: 南半球で10~1月、日本では6~9月
- 生育環境: 湿地や川辺を好む
画像:Pixabayより(Erythrina crista-galli)
花は蝶が羽を広げたような形状で、遠くからでも目を引きます。含有成分としてエリスリナ系アルカロイドがあり、薬効の基盤ですが、毒性に注意が必要です。
伝統的な利用:南米での薬用など
ウルグアイを含む南米では、セイボは古くから薬用植物として重宝されてきたようです。
部位 | 利用方法 | 効果 |
---|---|---|
葉 | 煎じて飲む | 不眠、ストレス、神経過敏の緩和 |
樹皮 | 外用(湿布など) | 関節痛、リウマチの痛み軽減 |
花 | 煎じて飲む | 消化不良、腸の不調の改善 |
以上の表で民間療法での使い方をまとめてみました。効能はアルカロイド(例:エリスリン)が含まれることからくるようです。ただし、種子や根には毒性があり、誤用を避けるため専門知識が必要となりますので注意してください。現代では、安全性のデータが限られているため、主に観賞用となります。ちなみに私の専門のホメオパシー(高度に希釈振盪をするドイツ発祥の伝統的な自然療法)ではレメディーとして使われている実績はありませんでしたが、可能性もあるように感じました。とても興味深い植物だと思います。
国花になった経緯
セイボは、1952年にウルグアイの国花に正式に制定されました。この決定は、セイボがウルグアイの自然や文化に深く根付いていること、そしてその赤い花が国民の誇りや情熱を象徴していることを反映しています。湿地でも力強く咲く姿は、逆境を生き抜く力を表し、国民の精神性と共鳴します。(※アルゼンチンの国花でもあります。)
特に、先住民グアラニー族の伝説がセイボの価値を高めています。少女アナヒは、16世紀のスペイン侵略者に抵抗し、火刑に処されましたが、その灰からセイボの木が生まれたとされます。この物語は、勇気、犠牲、希望を象徴し、セイボに「勇気」「自由」「情熱」の花言葉を与えました。
アナヒの伝承とは?
アナヒの物語は、セイボの文化的意義を深めています。彼女はグアラニー族のグアヤキ部族に属し、スペイン征服者による侵略時に捕らえられました。彼女の部族が土地と自由を守るため戦った結果、戦闘中に捕虜となったと考えられます。逃亡を試みて番兵を殺害した後、火刑に処され、セイボの木に変身したと伝えられています。この伝説は、セイボが逆境の中での希望を象徴する理由を物語っています。
セイボCeiboからのエール
セイボは、ウルグアイの国民的精神を象徴し、「どんな環境でも静かに花を咲かせる力」を表します。情熱を内に秘め、どんな環境でも花を咲かせる姿は、安全の分野で活躍された後に更に国際協力に尽力してこられてこの春からは新たな道に進むXさんの生き方と重なります。定年は終わりではなく、新しい花を咲かせる始まりだとセイボが教えてくれました。
セイボの赤い花のように、力強く、自由に!
勇敢で情熱に溢れ、温かいお人柄の恩人Xさん。本当にお疲れさまでした。これから始まる新たな挑戦は実に尊いものです。陰ながら応援させていただきます。そして、これからもよろしくお願い致します。
弥栄!
Wikimedia Commons – Erythrina crista-galli