ドクダミを見直してみませんか?
庭や道ばたに広がるドクダミ。
その強い繁殖力と独特の香りから、邪魔者扱いされてしまうこともあります。
でも実は、「十薬(じゅうやく)」とも呼ばれるほど、古くから民間療法に重宝されてきた日本の薬草。
体の中に毒をためるのではなく、毒を下す──
そう伝えているのが、自然療法家・東城百合子さんです。
ニ千年以上前から民間薬として使われてきたドクダミの歴史は古く、その効用は大きいのです。胎毒下しや皮膚病の治療に広く愛用されてきた・・・
「浄血、利尿、殺菌、毛細血管強化、緩下、止血に役立つ」「常用すると胃腸が丈夫になり、高血圧・動脈硬化・脳溢血の予防や治療に使っても有効です。」
東城百合子著『薬草の自然療法』(池田書店)
いろんな使い方がありますが、今日はアルコールに漬けて、マザーチンクチャーとして使うことをご紹介します。
🌿 スキンケア用のドクダミ どの部位を使う? 根も使えるの?
葉・茎・花・根、すべて使えます。
私も、根付きで採った場合は、よく洗って根も一緒に漬けることがあります。
- 葉・茎・花:薬効が濃く、スキンケアや外用向き。香りが強い。
- 根:香りは控えめ。血流促進・利尿・解毒作用が期待でき、全草利用としておすすめ。
部位別の主な薬効・特徴は次のとおり。
花
抗菌・抗炎症、香りがやややわらかく、浄化力が高い
葉
殺菌、消炎、デトックス、毛細血管強化、皮膚トラブルに有用
茎
血流促進、利尿作用、葉や花の作用をサポート
根
血行促進、利尿、解毒作用。乾燥して煎じ薬に使われることが多い
🌿 生葉と乾燥葉、どちらがいいの?
生葉(フレッシュ)のメリット・デメリット
メリット
- 成分や香りをダイレクトに抽出
- 採ってすぐ作れる
デメリット
- 腐敗・発酵しやすい(高濃度アルコール必須)
- 香りがかなり強く出る
乾燥葉のメリット・デメリット
メリット
- 香りがまろやかで扱いやすい
- 腐敗リスクが少なく初心者向き
デメリット
- 乾燥させる手間がある
- 成分や香りがやや穏やかになる
🌿 仕込みに必要なもの
- よく洗ったドクダミ(葉・茎・花・根すべて)
- 40度以上のウォッカなどの蒸留酒
- 煮沸消毒・乾燥したガラス瓶
🌿 ビンの消毒・準備について
✅ ビンの消毒方法
- 鍋で5~10分煮沸消毒するか、
熱湯を回しかけて自然乾燥する方法もあります。 - どちらでも構いませんが、水滴をしっかり飛ばすことが重要です。
- しっかり乾燥させてから使ってください。
- 瓶の中に水分が残っていると、腐敗や発酵の原因になります。
瓶の準備は前もって余裕をもって行うのがおすすめです。
🌿 アルコールの選び方
- 40度以上の蒸留酒、ウォッカなどで作れます。
- さらに安全性を高めたい場合や、長期保存を考えるなら60度以上(スピリタスなど)がおすすめです。
🌿 ドクダミマザーチンクチャーの作り方
- ドクダミをよく洗って水気を取る。
- 乾燥させたガラス瓶にぎっしり詰める。
- 高濃度アルコールをひたひたに注ぐ。
- 蓋をして冷暗所で1~3か月置く。
🌿 使い方いろいろ(薄めて使うのが基本)
- 市販の精製水で薄めて(9:1~19:1)スプレーやパッティング
- 私は葉を取り出して虫刺されに直接あてたり、
市販の消毒液代わりにシュッシュして使っています。 - かゆみや汗疹、ニキビなど気になる部分に。
- スキンケア全般、フェイス、ボディの日常お手入れに。
- 私は葉を取り出して虫刺されに直接あてたり、
- 入浴時に数滴加えてドクダミ風呂
✅ 使うときの注意点
- 精製水で薄めて使う(原液は刺激が強いことがある)少量作って早めに使い切る。
- 洋服につかないよう注意(色や香りが残る場合あり)
- 肌が敏感な方はパッチテストを必ず実施
さいごに
「雑草」として片付けてしまう前に、
その力強い恵みを、ぜひあなたの暮らしに役立ててみてください。