大阪マラソン2026。
吉田響選手は37kmまで先頭集団にいた。42.195kmの約87%地点までトップ争い。テレビ中継は先頭を追うため、約1時間45分、彼はほぼ映り続けていた。
その間、顔や脚に貼られた丸いパッチが強烈に印象に残った・・冷静にそう思ったわけではない衝撃。正直、相当に驚いた。SNSでもダルメシアンかという例えをした人もいたというのも頷ける。
37km以降で失速。最終34位、2時間9分34秒。
もしそのまま勝っていれば、あのパッチは「勝者の象徴」として語られていた可能性がある。だが勝たなかった。だからこそ、冷静に整理できる。
あのテープは何なのか
映像だけでは種類は断定できない。整理すると次のように分かれる。
| 区分 | 代表例 | 体内吸収 | 医薬品 | 想定される作用 |
|---|---|---|---|---|
| チタン加工テープ | Phiten等 | 基本なし | × | 素材刺激・筋緊張サポートとされる |
| 磁気貼付 | 磁気バン等 | なし | △(機器扱い) | 血流促進とされる |
| キネシオ系 | なし | × | 物理的サポート | |
| 医薬品貼付 | ロキソニンテープ | あり | ○ | 消炎鎮痛 |
薬理作用があるものと、素材加工・物理刺激系は性質がまったく違う。
「全部効かない」と言うのも雑だし、「全部効く」と言うのも雑である。
なぜ継続的に貼るのか
疑問はここだ。
一度で十分なら、なぜレース中ずっと貼るのか。
効き続けるのか。
それとも、貼っていること自体に意味があるのか。
薬理作用がある医薬品なら持続時間の概念がある。
素材加工系は貼付中を前提とする考え方が多い。
しかしそれだけではない。
ネックレスをつける選手。
模様入りのパッチ。
圧着ウェアを選ぶ人もいれば、風を受ける昔ながらのウェアを選ぶ人もいる。
合理性だけでは説明しきれない。
身体的サポート、スポンサー契約、ルーティン、安心材料、象徴性。
全部が混ざる。
色や模様が心理的影響を与える可能性も否定はできない。
お守りや装身具がスポーツの世界に存在するのと同じ構造である。
宣伝効果という現実
約1時間45分、全国放送。
37kmまでトップ。
勝敗とは別に、あの丸いパッチは強烈な露出を得た。
これは事実であり、宣伝効果としては極めて大きい。
勝たなかったから効果がなかった、という話ではない。
勝敗と露出は別軸で動く。
私自身の体験
私は肩から指先にかけて痛めたことがある。
発達支援の仕事で無理な力が入り、筋が張り、整体やマッサージにその時は助けられたが、抜けきらなかった。
義兄がマラソンで使っていたチタン加工テープを思い出し、試した。
一時的に軽くなった感覚はあった。不思議だなと思ったがありがたかった。
だが継続的な改善には至らなかったし、継続的に使うということが好きじゃなかった。
私の場合、最終的に整ったのはホメオパシーだった。
外から固定するのではなく、内側の反応を整える方向で回復した。
これは私の体験であり、万人に当てはまるとは言わない。
ただ、私にはそのようだったということだ。
今回のレースが残したもの
37kmまで先頭という事実は消えない。
その後失速した事実も消えない。
あのテープが効いていたのか、途中で効かなくなったのか、もともと関係なかったのか。外からはわからない。
わかるのは一つ。
人は極限状態で、自分を支える何かを選ぶということ。
テープかもしれない。
ネックレスかもしれない。
ウェアかもしれない。
レメディかもしれない。
合理だけではなく、信念や背景も含めて選択がある。
今回、強く印象に残ったのは、テープそのものではない。
それを選び、背負い、37kmまで走った人間の姿だった。


