今日のキャッチ画像は、生き方・考え方の分野では異色の、とてもかわいらしいものにしてみました。それぞれの動物が自分の役割を受け入れ、無理に争わず調和している様子です。
“運命が導く者は、それに従う。運命に逆らう者は、引きずられる。” というタイトルは、自分の望みが神の意志と一致しているとき、物事は自然に流れるという考えを意味する、ローマの哲学者のセネカの言葉です。
古代ローマの哲学者 セネカ
セネカ(Lucius Annaeus Seneca、紀元前4年頃~紀元65年)は、古代ローマの哲学者、政治家、詩人、劇作家であり、ストア派の思想を広めた人物の一人です。彼はローマ皇帝ネロの家庭教師としても知られ、政治的にも影響力を持ちました。
ストア派の哲学は、「理性」「徳」「運命の受容」を重視し、特に「運命に逆らわず、流れに従うことが人間の幸福につながる」と説きます。
しかし、セネカの人生は波乱に満ちており、彼自身が運命の大きな波に翻弄されました。ネロの政権下で権力を握るも、やがてネロの暴政が強まり、最終的に「自殺を命じられる」という悲劇的な最期を迎えます。
「運命が導く者は、それに従う。運命に逆らう者は、引きずられる。」の背景
この言葉は、ストア派哲学の中心的な考えである「運命(Fatum)」の受容を示すものです。ストア派では、「宇宙の理(ロゴス)」に従い、物事をあるがままに受け入れることが、最も賢明な生き方であるとされていました。
この言葉は、セネカの著作『倫理書簡(Epistulae Morales ad Lucilium)』や『幸福な人生について(De Vita Beata)』の中で語られたと考えられます。ストア派の師であったゼノンやクリュシッポスの影響を受け、彼は「人間の意志が宇宙の摂理と一致するとき、最も自然で楽な道が開ける」と説きました。
この言葉の意味
- 「運命が導く者は、それに従う。」
宇宙の流れや神の意志に逆らわず、自然な道を選ぶ人は、人生がスムーズに進む。 - 「運命に逆らう者は、引きずられる。」
逆らう人は苦しみながらも、結局は運命に従わざるを得ない。
この格言と森の動物たち
この格言は、今回の森の絵にぴったりです。
動物たちは、自分の本来の生き方を受け入れ、無理に逆らわず自然に生きています。
肉食獣もうさぎも、それぞれの役割の中で調和を保っています。人間社会でも同じことが言えます。運命に抗わず、自然な流れに身を任せることで、心の平安を得られるのではないでしょうか。
どう生きるか
セネカの言葉は、運命をただ受け入れるのではなく、「どう生きるか」のヒントをくれるものですね。あなたが求めているものと重なる部分があるのなら、それはきっと何かの導きなのかもしれません。
ストア派の考え方は、「どうしようもないことに抗うより、自分ができることに集中する」という視点を持っています。
動物たちが自然の流れの中で調和して生きるように、人間も無理に逆らわず、受け入れながらも自分らしく生きていけたら素敵ですね。