ロシアから日本への制裁が続いている。
2022年5月、ロシアはJICAの田中明彦理事長ら63人を入国禁止にした。さらに、2025年3月、JICA副理事長、ウクライナ事務所長を含む9人の日本人を入国禁止リストに追加した。他にもトヨタや楽天のトップがリストに名を連ねるが、これは先制した日本政府の制裁に対応した結果だ。2025年1月、ロシアが日本との覚書履行を停止し、モスクワの日本センターが閉鎖された。
経済産業省によると、岸田内閣下で2022年2月から始まった制裁で、日本は半導体、通信機器、自動車部品など数百品目のロシアへの輸出を禁止している。2022年4月8日、外国為替及び外国貿易法が改正され、ロシアへの特定品目の輸出が禁止された。事実上、日本企業の取引が禁止され、その結果、取引先を失い、ロシアが対抗措置を取った。ロシア外務省はこれを、2022年2月から岸田内閣が始めた制裁への「日本による敵対的行為への報復」と位置づける。
ジェトロの2025年2月調査では、在ロシア日系企業の事業展開見通しは条件付きで「拡大」と答えた企業もあるが、不確実性が続く。
今はトランプ政権である。トランプが何か変える可能性はあったが、制裁の流れは止まっていない。アメリカは自国の課題に追われ、日露関係に割く余裕は少ないだろう。
2022年の輸出禁止以降、日本企業はG7の制裁に従い取引をほぼ断ち、5000億円規模の市場を失った。経済産業省のデータでは、2021年のロシア向け輸出は5000億円だったが、2024年には約50億円に落ち込み、99%減となった。
日本のオールドメディアは、バイデン時代の報道姿勢を継承しているようだ。ロシアからの制裁を報じても、日本が先に仕掛けた事実を強調しない。ロシア側は2010年代、エネルギーや技術の協力を話し合ったが、2022年以降の制裁でその可能性は消えた。G7が主導した制裁が始まり、ロシアが対抗した。トランプ政権になっても大きな変化はない。
2025年2月末時点のジェトロ調査では、モスクワでトマトや輸入サーモンが値上がりし、経済制裁の影響が生活必需品にも及んでいるとあった。しかし、ロシアは穀物で130%の高い食料自給率を誇り、CIS諸国からでも輸入で賄えるし、そんな中でも対応している。
一般的な感覚として、日本人にとってロシアは親しい関係とはいえない。
この制裁の応戦は、何を意味するのか。ロシアが日本を締め上げ、日本企業はロシア市場を失い、経済が縮小している。たかが5000億円だろうか。遠くのウクライナより、隣国のロシアと仲良くしなくて本当に大丈夫なのか。洗脳された世論は、ロシアが悪でG7が正義と信じ、事実を見ていない。
横山みのり


