夢の中で蛇や龍が現れるとき、
それはしばしば「変化の前触れ」だといわれます。
地を這う蛇は、本能・知恵・再生の象徴。
天を翔ける龍は、霊性・覚醒・統合の象徴。
両者は相反するように見えて、実は同じ源に発しています。
🐍 蛇 ― 無意識と再生の象徴
蛇は地面を這い、肌を脱ぎ替えながら成長していきます。
その姿は、私たちが古い自我を脱ぎ捨てて新しく生まれる過程そのもの。
東洋では「気の循環」や「薬」「再生」の象徴。
西洋では「禁断の知」「誘惑」、そして「癒やし(医神アスクレピオスの杖)」を意味します。
夢で蛇に出会うとき、それはあなたが自分の内側に潜むエネルギーに気づこうとしているサイン。
怖れではなく、“まだ使っていない力”として受け止めてください。
🧍♀️ 女性が蛇を嫌う理由
実は、蛇の象徴は女性の無意識の深部と深く関わっています。
多くの女性が「蛇を怖い」「不吉」と感じるのは、
それが抑圧された直感・情熱・知恵の力を映す鏡だからです。
ホメオパシーで使われるレメディー「Lachesis(ラカシス)」は、まさに蛇の象徴を持ち、
抑え込まれた感情やエネルギーを解き放つ力があります。
私自身もこのレメディーに救われた経験があります。身体的症状を治癒に向かわせたのはいうまでもなく、それは“恐れを癒す”というよりも、「見てはいけない自分」に再会して抱きしめるような体験でした。
蛇が嫌われるのは、それだけ心を揺さぶる真実の力を持っているから。
夢に現れる蛇は、あなたの中でまだ眠る直感の呼び声でもあるのです。
🐉 龍 ― 天地をつなぐ存在
龍は蛇の霊的な進化形。
地のエネルギーが天へと昇り、霊性の統合へと至る姿です。
東洋では龍は神聖な守護者。
水を司り、豊かさと循環をもたらす存在。
西洋では英雄が戦う試練の象徴。恐怖を克服して、光を得る存在です。
どちらの文化にも共通しているのは――
龍とは「自分の影と向き合った者だけが得る力」であるということ。
☯️ 蛇と龍 ― 地と天の統合
蛇が地を這い、龍が天を舞う。
この対比は、“本能”と“理性”の統合を象徴します。
夢で蛇と龍の両方、あるいはどちらかが変化する場面を見たなら、
それは「心の深い層で何かがひとつになりつつある」兆しです。
地に眠る力を、天へ昇らせること。
それが魂の循環であり、人間の進化です。
🧠 心理学的解釈
ユング心理学では、蛇と龍は「無意識の力」と「意識の成長」の象徴。
夢でそれらに向き合うことは、“影(シャドウ)”の統合を意味します。
蛇を恐れず、龍を敵とせず。
それらを受け入れたとき、あなたの中で“自己の統合”が始まる。
🌙 結び
蛇と龍――どちらも恐れられる存在ですが、
それは「変化の扉を守る門番」であるがゆえ。
夢があなたにそれを見せるとき、
もう一段階、魂が成熟しようとしているのです。
次回予告 「夢と象徴 Vol.19」
動物たちの象徴を離れ、植物の夢が語る“成長と癒し”をテーマに。
根・幹・花・実――それぞれが心のどんな段階を表すのかを探ります。



