夢と象徴Vol.9 夜のテラス席——誰もいない場面が、“本当の問い”を連れてきた

夢と象徴
Bona Spirit

🟪はじめに:夢を“よく見る”男性からの一通

前回のVol.8で、「男性って夢を見ない人が多いんですね」
そんなブログを書いたあと、大学教員の男性からこんなメッセージと夢のご報告をいただきました。

「私は昔から夢をよく見ます。
目が覚めたら、忘れないうちにすぐメモをしています。
夢の中で仕事のアイデアが出てくることもあります。」

今回の夢を「しょーもない夢ですけど…」と照れくさそうな一言を添えられているところに、
むしろ夢との親しみ深い関係がにじんでいるように感じました。

いただいた夢の内容をみていきましょう。

📝夢のご報告(原文ママ)

昨夜見た夢について書きます。

舞台は、箕面市にある旧大阪外国語大学の校舎。なぜか英語研修の合宿に参加しています。

仕事が忙しい中、何とか参加した分、きっと夜も話し合いや懇親会で忙しいだろう、と思うやれやれ感と楽しい時間になるだろうとの期待感が交錯しています。

ところが、夜になっても誰からもお誘いがありません。他の参加者の部屋に行っても、誰もいません。

それが毎晩のように続くので、孤独感に苛まれ、僕はトボトボと歩いて街の居酒屋に行きます。
ちょうどテラス席が空いていて、そこに座り、果たしてこれは一体どういうことなのか、と考えるのでした。

🧭夢の背景と舞台

この夢の舞台は、箕面市にある旧・大阪外国語大学の校舎だということだったので、私も調べてみると、2007年に大阪大学と統合され、その校舎の多くは解体・再整備が進められていることがわかりました。

夢に出てくる「もう存在しない場所」はしばしば、
忘れていた大切な時間、価値観、内面の原点を象徴します。

しかもここは「語学=他者とつながる言葉」を学んだ場。
夢はその場所に、もう一度“つながりなおす舞台を用意してくれているようです。

🔍夢のキーワードと象徴

① やれやれ感と期待感の交錯

研修への参加は、「やらねば」という義務と「楽しみたい」という希望の狭間。
これはまさに、知的活動や社会的な役割を持つ人が陥りやすい葛藤そのもの。

② 孤独の繰り返し

夜になっても誰からも誘われない。それが“毎晩続く”という繰り返しは、
現実に起こったことというよりも、心の奥でずっと感じてきた、孤独なパターンの記憶かもしれません。

③ テラス席での沈思

テラスは「内」と「外」の境界。
そこで一人静かに考えるという行動は、
人との関係に疲れたとき、ようやく自分自身に向き合える時間が訪れることを象徴しています。

🌱夢が語りかけていること

誰とも話せなかった夜の風景は、
実は“本当の自分”に出会う invitation(招待状)だったのかもしれません。

この夢には、「誰かと話すこと」よりも、「自分と対話する時間」の豊かさが描かれていました。
多文化という“外”のテーマを専門にするかたが、夢の中で「内なる静けさ」と向き合ったその姿は、
とても深く、美しいものでした。

🖼️キャッチ画像(夢の情景を描いた油彩風イラスト)

月の光の下、静かにひとり佇む男性。この夢の空気感、イメージです。

🧾Vol.9・終わりに

人生のなかで、ひと区切りを迎えるとき、
夢はときに静かに、自分の現在地を教えてくれます。

今回の夢は、外とのつながりではなく、
自分自身とのつながりをそっと照らすものでした。

今宵あなたはどんな夢をみるのでしょうか🌙
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ご連絡をお待ちしております。

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