茹でガエル理論/boiled frog theory: 徐々に悪化する状況に気づかず、最終的に手遅れになることの比喩
2025年8月15日、終戦80周年。全国戦没者追悼式で天皇陛下は「戦中戦後の苦労を今後も語り継ぐ」と述べられた。参列遺族の53%が戦後生まれとなり、戦争の記憶が薄れる今、この言葉は深い。広島と長崎の原爆の傷は癒えず、平和の脆さを私たちに問う。
2016年、オバマ元大統領が広島で原爆映像に拍手した行為は、被爆者の心を傷つけ、Xで「無神経」と批判された。一方、プーチン大統領は同地で十字を切り、祈った。この対比は、指導者の姿勢の重みを浮き彫りにする。さらに、最近の新米女性政治家が「核は安上がり」と発言しているのが話題に登るが、論理的に看過できない。軍事専門家、例えば田母神俊雄氏のような知見ある者なら議論に値するが、分野外の者が核をコスト論で軽視するのは、身内や被爆者の痛みを想像する力が欠如している。勉強姿勢は認めても、広島や長崎でそんな言葉を口にできるだろうか。拳を突き上げる扇動は、冷静さを曇らせ、分断を煽る。
指導者を名乗る者たちの耳障りの良い言葉に目を凝らすべきだ。彼らの発言はコロコロ変わっていないか。筋が通っているか。一歩譲って変わるのは人間ゆえ許容できるとしても、その先に何が見えるか。ぬるま湯で育った我々は、まるで「茹でガエル」のように、危機が高まるのに気づかず適応してしまう。戦争や核のリスクを前に、試練に耐えうる準備ができているだろうか。指導者の軽率な言葉に流され続ければ、悲惨な現実を突きつけられるだろう。想像力と論理で未来を見据えねばならない。
8月16日朝、アラスカでトランプ大統領とプーチン大統領の会談が開催された。2022年からのウクライナ戦争の停戦は最大の課題だ。双方の被害は甚大で、世界がその成否を注視する。ロシアの占領地問題、ウクライナの主権、米議会の対ロ強硬派で合意は困難だが、対話継続は対立回避の一歩。エネルギー協力(ロシアのガス、米国のシェール)も議題だが、停戦に至るには高いハードルがある。冷静な交渉がなければ、犠牲は増えるだけだ。
終戦80年の今、核と戦争の教訓を論理的に見つめ、茹でガエルのように危機に慣れない。指導者の言葉に惑わされず、子どもたちに平和な未来を残す責任は、私たち全員にある。共に考えてみませんか。
一般社団法人東西交流フォーラム 横山みのり



