英語でspirit スピリットといえば、精神・魂・心など物質世界から離れた肉体を超えた次元にあるものを指す。似たような意味を表すものにsoulがあるが、こっちは生きている人間の心や魂のことをいい、区別できるらしい。
蒸留酒のことをspirits(スピリッツ)ということはよく知られている。spiritにsがつく複数形になってなんだか急に意味が変わったかのように思えるがそうでもない。
これは中世後期の錬金術に関わっている。すべての物質の根源となるもの「four spirits」[水銀(Merc.)、塩化アンモニウム(Am-m.)、硫黄(Sulph.)、石黄(雄黄(ゆうおう、Orpiment)ヒ素の硫化鉱物)]を組み合わせて蒸留すると高濃度のアルコールができるそうだ。また、中世ヨーロッパでは蒸留酒を「生命の水」と呼んでいたことも関係しているともいわれる。
スピリッツは古来から魔法の水だった。目に見えない世界と現世の私達をつなぐ不思議な液体でもある。
液体は物質を保存するのに適しており、物質の形状や波動を記憶する。スピリッツは水よりも長い時間、確実に保存できる。ホメオパシーでも粒の砂糖玉よりもアルコールのほうがより深く細やかに作用して効果的であるとされ、とりわけ慢性病治療の際に使用されることが多い。
水は淀むと腐ってしまう。溜まったり動きを与えないと生命力は失せ、生き長らえるのは難しくなる。循環しない池の水と比べて川の水は澄んでいて勢いがある。動きを与えるとパワーが増す。よりダイナミックになる。
日本ホメオパシーセンター東京飯田橋
センター長 ホメオパス 横山みのり