「寄付」という言葉を耳にすると、善意や助け合いの気持ちが思い浮かびます。
能登半島の震災のように明確な目的を持った寄付には、自然と心が動きます。
けれども一歩踏み込んでみると、寄付は会計や制度の上ではとても複雑な存在であり、扱い方によっては信頼にも不信にもつながってしまうのです。
例えば「宗教法人」――実は法律上、比較的容易に設立できる仕組みになっており、意図せずに宗教法人になっていた?と驚くようなケースも耳にします。寄付の行き先が本当に社会のためになっているのか、どうやって見分ければよいのでしょうか。
今日は「ちょっと考えてみる」シリーズとして、寄付をめぐる制度の違いを整理してみたいと思います。
政治団体への寄付
- 政治資金規正法で厳しく管理され、寄付の出入りはすべて公開。
- 透明性が確保される一方、資金の使い道や企業献金の在り方は常に議論の対象。
NPO・公益法人への寄付
- 認定NPOや公益法人は寄付金控除の対象。
- しかし「事務経費が高すぎる」「本当に現地に届いているのか」と批判もある。
株式会社が募る寄付
- 株式会社には「寄付収入」という科目はなく、実際は雑収入扱い。
- 継続的に募れば「売上とどう違うのか」という疑問を生む。
宗教法人への寄付
- 「お布施」「喜捨」は非課税。
- 設立要件が比較的緩く、誰でも作れるかのように見える仕組みがある。
- そのため寄付金の透明性が失われやすく、外国勢力との関与や資金流用が問題になるケースも。
赤い羽根共同募金・ユニセフなど公益寄付
- 善意の象徴として知られるが、実際には経費率や資金使途への批判もある。
- 「寄付=すべてが届く」とは限らない現実がある。
クラウドファンディング
- 寄付型(見返りなし)、購入型(リターンあり)、投資型(利益分配あり)の3種類。
- 会計処理もそれぞれ異なり、新しい資金集めの形だが透明性の課題は同じ。
🌱 まとめ
寄付は「善意」で成り立っているように見えて、実際には制度と会計の網の目に位置する存在です。
政治、NPO、株式会社、宗教法人、国際団体、クラウドファンディング――その形は違っても、共通しているのは 透明性と説明責任がなければ信頼を失う ということ。
私は、能登半島のように目的が明確な寄付には自然と心が動きます。
一方で組織の活動資金であれば、寄付よりも「会費制」や「サービス料」として受け取る方が、より健全で透明だと感じます。
寄付をどう考えるかは、私たちの社会に対する信頼のあり方を映す鏡なのかもしれません。


