適材適所は、忍耐の先に待っている——10年続ければ誰でも「水を得た魚」になれる

その生き方に学ぶ

今日は「適材適所」についてお話しします。
私たちが忍耐を持って専門性を磨き続けていけば、必ず「ここが私の場所!」という瞬間は訪れます。英国の大臣システム、日本の政治の現状、少し個人的なエピソード、そしてエリック・ベルトランド・ラーセンの言葉を交えながら進めていきます。

英国の大臣ローテーション:専門外もこなすシステム?

英国では、大臣ポストを一通り経験させるローテーションが慣例です。専門外の分野を任され、ようやく慣れた頃に別のポストへ移る——平均在任期間は2年未満で、任命は首相の判断次第。内閣改造が頻繁に行われるため、政治家は多分野を渡り歩きながらジェネラリスト的なリーダーとして育っていきます。

政策に新鮮さが生まれ、党内のバランスも取れる一方で、専門を深めにくいというデメリットもあります。

日本では、「え、この人が大臣?」と思うような任命もあります。官僚や秘書が支えるとはいえ、知識なしでこなせるのか疑問に思うことも。庶民には計り知れない能力があるのかもしれませんが……。
一方で、専門家が配置されるとやはり成果は出ます。

たとえば片山さつき議員。財務省官僚出身で、財務大臣として“最適配置”そのもの。これまで知性を持ちながら十分に活かしきれていなかった印象もありましたが、今は“水を得た魚”のように活躍されています。

東大法学部卒、1982年入省。女性初の主計官やG7代表を務めた実績を持ち、今回の起用は納得の一手です。2025年10月の高市内閣発足後は、閣議後会見で予算・税制に関する専門性を発揮。外為法改正(対日投資審査強化)、燃料油の25円値下げ、冬季の電気・ガス支援、補正予算編成など、官僚時代の経験を生かした迅速な対応が光っています。

もう一人の好例が小林鷹之議員。東大卒・元財務省官僚で衆院5期。2025年の内閣では政調会長として政策の中心を担い、官僚212人が選ぶ「政策通ランキング」で上位に入った実績もあります。
総裁選出馬経験、デジタル・地方創生・政治改革に強みがあり、2025年11月の代表質問では経済安保を鋭く議論。「期待閣僚トップ3」と言われるのも納得の実力です。

なお、ここで片山さんや小林さんを挙げたのは、政策に全面賛成しているからではなく、“適材適所の好例”としてです。私は中立的視点から述べています。

専門性は一朝一夕には身につかず、10年・20年と積み重ねてこそ「最適な場所」をつかめるもの。政治家の例は、その典型です。

個人的エピソード:叱咤激励されたあの日

かなり前、政治関係の懇親会で片山さんとお話しする機会がありました。泣きつかれる形で代打を頼まれて参加したのですが、会費まで払うことに。思わず「うそでしょ?」と内心突っ込みたくなりました。さらに、知らない男性議員の隣に座らされ、え〜なんで〜と戸惑う場面も。

ところが片山さんは、自虐ギャグも交えてとても魅力的でエネルギッシュな方でした。私が「応援しています」と伝えると、「あなたこそ頑張んなさいよ!」とキリッと返され、その一言が今も心に残っています。
官僚時代から積み重ねてきた経験と努力が、今の活躍の土台になっているのだと実感しました。財政という日本の正念場で、ぜひ良い方向へ導いていただきたいと願います。

エリック・ラーセンの教え:忍耐が成功を生む

適材適所を理解する上で、ぜひ紹介しておきたい視点があります。
世界的メンタルコーチ、エリック・ベルトランド・ラーセンです。

ラーセンはノルウェー出身で、元パラシュート部隊の兵士。ビジネス経済学修士を取得し、オリンピック選手、ビジネスリーダー、軍隊へのメンタルトレーニングを提供しています。著書『HELL WEEK』は世界で20万部以上売れた人気作です。

彼は、人が目標を見誤りやすい傾向を指摘し、特に次の2点を強調しています。

①「人は1年後の変化を過小評価し、10年後の変化を過大評価しがち」
1年後には控えめな期待しか持たないのに、10年後には“ものすごい自分”を夢見てしまう。
実際には、1年で予想以上の変化が起きることもあり、10年は計画通りに進まない。
これは、誰もが持つ心理的な癖です。

②アスリートは「1年後」を高望みしすぎる
短期目標に燃え、「来年こそチャンピオン!」と意気込みがちですが、1年はあっという間。
だからこそ、1年で結果を求めすぎず、長期的に“続ける力”を大切にするべきだと言います。

つまり、同じ分野を10年続けられる人は意外と少なく、だからこそ10年続けた人は強くなる。これは「適材適所」を自ら切り拓く力にもなります。

日々できることは、

  • 1年ごとの“小さな達成”を積み重ねる
  • 10年後の理想像を“現実的な計画”に置き換える
    この2つだけで十分です。

忍耐は、適材適所へ至る確かな道筋です。

経験年数だけじゃダメ——ジェネラリストの資質で突き抜ける

専門性を磨くことはもちろん大切ですが、突き抜けるためにはジェネラリスト的な視点も必要です。
「私は〇〇年やってきました」という誇りは素晴らしいですが、経験だけに頼りすぎると、変化の激しい時代には追いつけないことがあります。

常に新しい視点を柔軟に取り入れながら、自分を更新し続けること。
これが、領域を超えて力を発揮する人の共通点です。

レオナルド・ダ・ヴィンチ、スティーブ・ジョブズ、ベンジャミン・フランクリン。
いずれも深さと広さを併せ持ち、専門を“超えていく力”で成功しました。

鉄は熱いうちに打て——タイミングも「適材適所」の一部

「鉄は熱いうちに打て」ということわざが示すように、適切な時期に取り組むことで伸び方は大きく変わります。

フィギュアスケートや新体操のように、若さが不可欠な分野もありますが、ビジネスや学問は年齢を問いません。
大切なのは、
・時間
・忍耐
・環境
・資質

これらの条件をどう整えるかです。

条件が多く見えても、“今できることを淡々と続ける”だけで道は開けます。
ユニークな強みを生かせば、自分の「適材適所」への道は必ず前に進みます。

私たちへのメッセージ:10年後の「適材適所」は自分で作れる

今、「この仕事、向いていないかも」と感じていても、もう少し続けてみるだけで景色が変わることがあります。
忍耐さえあれば、専門性は誰でも磨けます。
年数に満足せず、新しい視点を取り入れながら続ければ、必ず“ここだ”と思える場所が見えてきます。

まとめ:10年後の自分に、適材適所をプレゼントしよう

適材適所は待つものではなく、自ら育てていくものです。
今日の一歩が、10年後の「水を得た魚」につながります。
深さと広さ、その両方を育てながら——。

あなたの適材適所は、忍耐と柔軟の先に待っています。

東西交流フォーラム

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