準チョコレートが増えたという、ささやかな違和感
最近、「準チョコレート」と表示された商品が増えたと感じる方も多いのではないでしょうか。バレンタインが近づくこの時期、価格だけでなく、裏面の原材料表示を見てみると、以前は「チョコレート」と呼ばれていたものが、いつの間にか「準チョコレート」になっていることに気づきます。これは単なる表示の問題ではなく、カカオ価格の高騰という世界的な事情と密接につながっています。
カカオの産地で起きていること――金価格高騰と水銀
カカオの主要生産地のひとつであるガーナでは、近年、金の国際価格の高騰を背景に、カカオ農家から金採掘へと転身する人が増えていると報じられています。特に問題とされているのは、小規模で非合法な採掘が広がっている点です。金は一攫千金の可能性を持つ一方で、短期的な利益を優先する構造を生みやすく、結果として農地や森林が破壊され、従来のカカオ栽培が成り立たなくなっていきます。
こうした小規模採掘では、今なお水銀を用いた金の回収法が使われるケースがあり、土壌や水質の汚染、さらには人の健康被害が問題になっています。水銀は神経系に強い影響を及ぼすことが知られており、この問題は環境の破壊にとどまらず、人の身体へと確実につながっていきます。カカオ価格の高騰と準チョコレートの増加の背景には、こうした金価格と資源をめぐる現実があります。
日本が経験した水銀被害――水俣
日本でも、かつて水銀による深刻な健康被害を経験しました。それが水俣です。工業排水に含まれた水銀が魚介類を通じて人体に入り、多くの人の身体と人生を変えてしまいました。この出来事は、「物質が環境を通じて人体に入る」という現実を、私たちに突きつけた歴史的な出来事でした。
準チョコレートとチョコレート、その違いの背景
準チョコレートとチョコレートの違いは、法律上はカカオ由来の原料比率によって定められていますが、背景にあるのは原料の不足と価格上昇です。そして原料の選択は、味や食感だけでなく、私たちの身体に入る“物質”の質をも左右します。日常的に口にするものほど、その背景にある構造を知ることは重要になってきています。
物質は、必ず人体に入ってくる
物質は、国家や経済だけでなく、必ず人体にも関わってきます。ミネラルや金属が身体にどう作用するのか、過去の事例と現在の状況を踏まえて、もう少し整理して学んでみたい方のために、2月に短い講座を予定しています。

ご関心のある方は、iidabashi.net をご覧ください。


