森のフクロウと月のひみつ― 助けることのむずかしさ
むかしむかし、深い森に知恵あるフクロウがいました。
フクロウは病や悩みを抱える動物たちに、草の実や木の皮を調合して分け与えました。
ある鹿は元気を取り戻し、再び森を駆けました。
けれども時が経つと、「本当にフクロウの知恵で治ったのだろうか」と疑い、古い習慣に戻ってしまいました。
あるウサギは回復すると、「これは自分の力だ」と言い張り、フクロウのことなど忘れてしまいました。
フクロウは夜の枝に止まり、ひとり考えました。
「私は間違ったのだろうか?助けないほうがよかったのだろうか?」
胸の奥から「認められたい」という声が聞こえてきます。
けれども森は静かにささやきました。
「それぞれに歩む道があり、それぞれに学びがある。おまえはただ、与えられた力を尽くせばよい」
その夜、フクロウは月を仰ぎ、静かに目を閉じました。
助けることの難しさも、また自分を学ばせてくれる道なのだと悟ったのです。
この寓話は「人を助けることは、相手の学びの段階によって受け取られ方が違う」ということを示しています。
私たちができるのは万能ではなく、ただ目の前の出来事と誠実に向き合うことかもしれません。



